受験生の夏が終わりました。目標に向かって全力で取り組んだ受験生に、まずはお疲れ様でしたと労いたいと思います。しかし、頑張ったねで終われないのが受験の辛いところで、頑張った結果はどうだったのかということが一番気になるのではないでしょうか。

 さくら塾では講習や宿題は一切ありませんが、4月から9月で20番台から10番台へ学年順位を10位上げた生徒がいます。しかし、外に目をやると、大量の夏期講習や宿題を一生懸命やったにも関わらず順位を下げたり、あまり成果を得られなかった方もいらっしゃいます。私がいつも疑問に思うことは、受験勉強に講習は不可欠なのかということです。夏期講習にせよ冬期講習にせよ、いつもの月謝に上乗せして料金を払い、比較的短期間で学習量を増やす催しですが、そもそもこの催しに大きな学習効果を期待することに無理があるのではないでしょうか。平凡な人間の脳はコンピュータと違い短期間で大量の情報を記憶することは得意ではありません。それにも関わらず、短期間で大量の受験知識をインプットし、さらに点数化できるようにアプトプットのトレーニングを積むことは現実的ではありません。それができるのであれば、相当優秀な脳をもっており、講習に通わず自宅学習でも十分に学習効果を出せるのではないかと思います。ではなぜ、そのような生産性の少ない非現実的な催しに多くのご家庭が大金を払ってまで飛びつくのでしょうか。それは、ひとつの理由として学習塾のマーケティング手法にあるのではないかと考えます。講習に通えば疑問点が解決し、成績が良くなるというような謳い文句でたくさんのチラシが投下されます。それを見た保護者の方は、分からないことがなくなれば勉強ができるようになるという錯覚に陥ります。ましてや受験生ともなれば、手っ取り早く成績を上げたいという心理もあるので、アウトプットのトレーニングにかかる時間を無視して成果を求めてしまいます。これがいわゆる講習の落とし穴です。勉強は残念ながら、分かればできるというものではありません。理解した知識はたくさんの問題で試してみることでようやく使える知識として定着していきます。そのトレーニングが不可欠なのです。

 さくら塾ではこのような理由から講習はありません。その代わり、平常時の学習習慣に重きを置いています。その土台が完成してからこそ、講習のような短期型の学習も効果を出せるようになってきます。 実は上記の成績を収めた生徒も講習をしていません。日々の努力の積み重ねが秋に成果として実った形となります。保護者の方にはこの機会に勉強の本質を理解してもらい、着実にお子様が成長できる手段や塾選びを検討していただきたいと思います。

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