今も昔も変わらず、分かりやすい授業に定評があります。確かに分かりやすい先生の授業は難しい内容も簡単に理解できるので、それを拝聴できるだけでも十分に価値はあるかと思います。
しかし、簡単に理解できる解説にも落とし穴があることを知っておかなければなりません。正しい解法の解説ばかり聞いていると、その解法がそのまま当てはまる問題はできるのですが、当てはまらない問題は途端にできなくります。すなわち試験における初見の問題や傾向の変化に弱くなります。高校偏差値で60前後の方はこのパターンにはまっているケースが多く見受けられます。いわゆる60の壁です。
これで受験対策をすると、もはや塾の先生頼みとなります。塾の先生が選んだ解法が入試に出れば解けますが、出なければ解けません。まさに受験が運試しです。自力で合格を勝ち取ることは難しいでしょう。
初見に強い人は、実は過去にたくさんの失敗を経験しています。試験問題の解法がわからない時、瞬時にいろいろな解法を思い浮かべますが、同時に過去の失敗の経験から瞬時に解法の取捨選択も行なっています。残念ながら良い解説ばかりを聞いて失敗の経験が少ない人はこれができません。知っている解法以外はどの解法が間違っているかわからないので、結局正解に辿りつけず誤答してしまいます。